座り心地の良いソファが置かれた、
小さな坪庭を愛でる洋室が、
僕の、1番のお気に入り。
休日には、時間を気にせず、
読書をしたり、音楽を聴いたり、
美味しいビールとともに、
ゆっくりと過ごしたい、
とっておきの場所だ。
工務店でもあるオーナー様が、
無垢材を惜しげもなく使用して、
自ら、改装を行った京町家。
床材はナラの無垢材(オイルフィニッシュ仕上げ)、
浴室の一部には赤杉の柾板、
天井、造り付け家具、建具が、1本の丸太から製材したそう。
扉のつまみは、ナンテンの木。
質感や風合いは、やっぱり、本物ならでは。
家全体が、木の優しい雰囲気に包まれている。
そんな、愛情をたっぷりと注がれた、
幸せな建物だ。
また、実際の生活の場面をイメージして設計されているので、
住みやすさ、という点でも随所に工夫が。
可動収納を引き出すと脱衣スペースになったり、
キッチンにはトップライトがあったり。
「勝敗の鍵は、細部に宿る。」
あるスポーツ界の識者が語った言葉だが、
これはどんな事にも言えるのではないかと。
1つ1つの小さなコトを、丁寧に積み上げる事で、
成果に繋げる。
逆に、少しでも手を抜くと、
そこから綻びが生じてしまう。
建物に勝ち負けは無いけれど、
ここまで丁寧に作られたモノは、
きっと、
入居された方も大切に住んでくれる。
うん。
やっぱり、幸せな建物だ。