このまちに住んだなら。「松ヶ崎疎水」

京都下鴨修学館のあたりから

 

撮影の帰り、車の中で「こういうのって、“風光明媚”って言うのかな?」という話が出た。

個人的には、風光明媚といえば、たとえば嵯峨嵐山のような、ダイナミックな自然景観を指す印象がある。
この松ヶ崎疎水にそれを当てはめるのは、少し違う気がした。

 

泉柳橋

もちろん、ここの桜は見事だ。とても美しい。
でもそれだけじゃない。
もっと身近で、もっと暮らしに寄り添っている。
肩肘張らず、静かにそこに咲いている感じ。
花のある“地元の風景”という言葉のほうが、しっくりくる。

実際、桜を見に何人か人が集まっていたけれど、そのほとんどが近所の人のようだった。
わざわざ遠くから訪れるというより、春の散歩ついでに立ち寄る場所。
観光で疎水を見るなら、岡崎のあたりが有名だし、あとは神社仏閣に行く人も多い。

じゃあ松ヶ崎疎水は風光明媚以外にどう言い表せばいいだろう。
そんなことを考えて、少し調べてみた。

「風情がある」
「趣がある」
「絵になる風景」

うん、どれも悪くない。しっくりはくる。
でもまだ、“これだ”という言葉には出会えていない気がする。
言葉にしようとすればするほど、ちょっと逃げていくものってあるかもしれない。

ジモティー 鴨

ここは、地域のみんなのお気に入りの場所。

このまちに住んだなら。
きっとここを散歩道にして。

松ヶ崎疎水は、たぶん、そういうところだ。

このまちに住んだなら。「京都に着いた日」

もう10年ほど前のことになります。
大学進学のため、故郷・宮城から京都へ引っ越しました。

両親の手を借りることもなく、夜行バスで11時間。
京都駅に到着し、地下鉄に乗り換えて、大きな荷物を抱えたまま目的の駅へ向かいました。

東北と比べると、随分と暑く感じた日でした。

ぜいぜいと息を切らしながら地上に上がり、1番出口を出たその瞬間。
目の前には、まぶしいほどの青空と、菜の花畑が広がっていたんです。

地下のひんやりとした影から一転、青空の下で風に揺れる黄色の花々。
あの瞬間のまぶしさと安心感を、今でもよく覚えています。

ああ、この街に来てよかった。
そう、自然と思いました。

離郷、見知らぬ土地、なじみのない言葉や文化、はじめての一人暮らし。
寂しさと不安と期待が入り混じっていた胸の内が、ふっとほどけたあの日。

そして今、4月上旬。
新たな暮らしを始めた方も多いことでしょう。
皆さんにも「ほっ」とできる景色との出会いがありますように。

 


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僕がほっとする場所。

 

 

このまちに住んだなら。「木になるおうち KOGA-NORTH」編

”ただの物件好きが縁あって不動産屋さんになってしまった”
という経歴の筆者。
歴史ある京都の街で新旧いろいろな物件に出会うのが
なにより楽しみな今日このごろです。

私の好みをよく知る広報担当の先輩が

「あそこの物件、好きそうですよ~」

なんて耳打ちしてくれた時なんか
うきうきしながら取材に出かけます。

—–

そんな感じで最近訪れたのが「KOGA-NORTH」(コガノース)。

(今は満室になっているのですが、とっても素敵なので紹介させてください…。)

KOGA-NORTH

見てくださいもう可愛いじゃありませんか。
入口で木が出迎えてくれる平屋のアパートなんて。

 

玄関扉の覗き穴がこれ!
レトロパーツ好きの心を盛り上げます。

中は小綺麗にリフォームされてあり、
単身者用のお部屋2つに分かれています。
木のぬくもりが感じられるシンプルなお部屋です。

お庭にも木が!柑橘類が実ってる!
実のなる木ってほんとに可愛いですよね…(ため息)
窓からのやさしい日差しを浴びながら
こんなお庭を眺めることができるなんて
なんて素敵なお部屋でしょうか。

—–

ここはお茶やお庭で有名な「大徳寺」のすぐ近所で
表へ出て1分も歩けば、土壁に瓦が埋め込まれた
築地塀(瓦塀)に出会えます。

塀をたどって大徳寺の境内をお散歩してもいいし、
今宮神社やあぶり餅もすぐ近くです。
ご近所をぶらぶら歩いてみてください。
魅力的なものがたくさん発見できますよ!

※物件に夢中で築地塀の写真を撮り忘れたので、最後の1枚だけお借りしました。

このまちに住んだなら。「雪の日」編

本社3階から見た、北大路堀川の交差点

全国的な大寒波により、京都でもよく雪が降る冬となりました。

ここまで降るのは、京都市内では珍しい方かもしれません。

寒くて外出が嫌になりますが、名所古刹に写真を撮りに来るひとがたくさんいるのは、京都の雪の日ならではといいましょうか。

そんな2025年2月某日、広報担当として名所古刹「じゃない方の」京都を撮影しました。

京都の雪の日、日常風景の方。

場所は北区紫野、北大路堀川の交差点あたり。

要は、寒いし運転もしたくないので会社の周辺で済ませたということです。

フラットエージェンシー不動産部

町家、古民家と雪はよく合います。年に数度あるか無いかのレアな光景。

写真の建物は、昔は自転車店でした。それを改装し、今は弊社のオフィスとなっています。

Googleストリートビューなどで昔の姿を見ることができるのですが、まさに生まれ変わったという感じです。

ここだけではなく、京都の和モダンな町家は、何かしら「前職」をもっていることが多いです。

ところで、写っているのはフラットエージェンシーの社員。

「こんなん撮ってもおもんないでしょ」と言っていましたが、いやいや、こういう自然な光景がいいんですよ。

 

雪国じゃない街の雪景。

観光都市の、観光地じゃないところ。

そんな北区紫野、北大路堀川交差点のあたりの「雪の日」でした。

 


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1986ハウス episode2。

身も心も軽やかに。

 

このまちに住んだなら。修学院編

涼しい風、虫の声。
少しずつ秋が近づく今日この頃。

夏の終わりに、「修学院」の思い出を。

町をカンカンに照らした太陽が
山の向こうに沈んでいく。

夏の夕方、
暑さが引いて少しほっとする時間。

修学院は坂のまち。

比叡山に向かう登り坂、
京都盆地の東の縁。

見返ると、暮れていく太陽と、
西日に照らされた京都の街が一望できる。

修学院の夕景は、本当にきれいです。

空広く、美しい景色が広がるのは
地理的環境に加えて、この辺りが「風致地区」だから。

修学院離宮、鷺ノ森神社、その背後の山々…。
美しい自然と景観が守られています。

そんな「風致地区」も、
子どもたちにとっては、周囲一帯遊びのフィールド。
坂も森も、お構いなしで駆けまわります。

のどかな風景も、子どもたちにとっては見慣れた地元の景色。カブトムシに遭遇。

修学院の氏神さま・鷺ノ森神社。そろそろ秋虫たちの合奏が聴けるかも。

修学院離宮横を流れる音羽川の砂防ダム。子どもたちの遊び場。

川沿いは犬の散歩など、地元の皆さんの散歩道。下り方面は夕暮れを一望できます。

街の中心エリアからほとんど離れずに、
この環境、この景色。

後水尾上皇が離宮造営にこの地を選んだのも、
なんだか納得してしまいます。

夏の景色もとっても良かったのですが、
これから秋、そして冬へ。
また違った景色が見れるはず。

高野川と比叡山。

Special Thanks***
案内してくれたすずちゃん、しんちゃん、ありがとう!

===
▽修学院エリアの物件
ご家族での暮らし、子育てにもおすすめの修学院。
ファミリー向けの貸家から一人暮らしのアパートまで、
いろいろとご紹介可能です◎

修学院中林町貸家(リンク先:賃貸京都.jp ㈱フラットエージェンシー)

アパート華(リンク先:賃貸京都.jp ㈱フラットエージェンシー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「庭時間。」修学院大道町古民家(事業用)

サンハイツ(リンク先:賃貸京都.jp ㈱フラットエージェンシー)

 

このまちに住んだなら。真如堂編

真如堂、黒谷、鹿ケ谷……。

これらの地名を見聞きすると
のどかで穏やかな風景が頭に浮かびます。

それは、自分で歩くより先に古本で知った景色。

縁あって近くに住むようになった今、
読み返してみると同じ道を辿っていて驚きました。

黒谷さんから真如堂へ抜ける道。

私の好きな散歩道。

吉田山と東山に挟まれたこのあたり。

疏水や白川の流れ、山々や寺社境内の緑、
「暮らし」が垣間見られる民家や商店、路地。

肌に感じる風、雨の匂い、蝉の声。

その道中では、折に触れて季節を感じることができます。

ぜひ散歩コースに入れて頂きたいのは「真如堂」です。

桜、藤、山吹、紫陽花、沙羅双樹、菩提樹、百日紅……。
季節とともに変わりゆく境内。

ほんの一時しか見られないお花もあり、
時季が過ぎればまた来年のお楽しみ。

そうして巡りゆく季節。

変わっていくもの、変わらないもの。

私はお花を見るのが好きですが、
虫や鳥、気候、お寺の行事やしつらえなど、
散歩の楽しみは人それぞれですね。

6月中旬、境内は紫陽花、沙羅双樹、菩提樹と花盛りでした。

お散歩の途中には
一息できる休憩場所があると嬉しいですね。

真如堂の門を出てすぐ、
吉田山の麓に佇む美しいカフェにしばし寄り道。

鞄に忍ばせておいた一冊をぱらりめくるも良し、
山々の彩りをぼんやりと見るのもまた良いひとときです。

吉田山荘 カフェ真古館

この辺りは古民家も残っており、
趣のある物件がよく募集に出るエリアでもあります。

いいなと思うお家と出会えたら…なんて、
夢も色々膨らみます。

北白川のバス通りから少し入り、
町の喧騒から離れているのもちょうどいい具合。

梅雨があけ、クラクラするような陽ざしと夏の空。

さすがに日中は足が向きませんが、
これからの季節は百日紅が楽しみです。

夏の盛りを感じる鮮やかな色。

夏の終わり、朽ちていく寸前の深い色。

夕暮れ時や陽が沈んでから、夕涼みがてら、
散歩しようと思います。

***

▼真如堂エリアで募集中の物件

Apt. Morita  「軽やかに、満ち足たりて」

真如堂前町京町家 (リンク先:賃貸京都.jp ㈱フラットエージェンシー)

このまちに住んだなら。西賀茂編

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加茂街道をぬけ、北へ。

上賀茂橋を超えたあたりから、
雰囲気が変わってきた。

加茂川沿いの木々が一層、生命力を増す。
北に望んでいた山々が徐々に迫ってくる。

さあ、さっそく、車を降りて繰り出そう。
青空輝くまち、西賀茂編。

もちろん、バスに乗って、自転車や車で、
訪ねてくる人もいるけれど、
この町の主役はだんぜん、住んでいるひとたち。

だから、また来よう、というより、
住みたいな、暮らしたいなという気持ちにさせられる。

北大路、出町柳、三条、四条…へと流れてゆく加茂川も、
このあたりではまだ「地元の川」の顔。
この感じが、心地よく、親しみが湧いてくる。

西賀茂は、野菜の産地でもあって、
「加茂のお野菜」といえば、
京都市内のスーパーでも人気もの。

5月下旬の畑には、
トマト、ナス、キュウリ、
早くも、夏野菜が実りを迎えていた。

市内で、西賀茂や上賀茂の野菜を見かけると、
おお新鮮!と思うけれど、
西賀茂の人には、もう一足先に届いてるんだ。
いいなぁ。

野菜やお米って、毎日食べるもの。
自分や家族の体の土台になるもの。

「新鮮な野菜が食べられる町」
に住むって、とってもいいな。

歩いていると、ひとつ、またひとつと、
はらっぱのような公園がある。

ざわざわと揺れる大きな樹々。
ぽっかりとひらけた空。

賑やかな場所や川沿いもいいけれど、
ここでなら自分のペースで心ゆくまで、
のんびりできそうだ。

この「広さ」が、またいいね。

ゆったりと流れる、西賀茂時間。

山ノ森公園

大切な居場所になるような、
「行きつけのお店」や「おちつくお店」を見つけるのって、
ご縁でもあるけれど、じつは結構難しいと思う。

たとえば、とっても素敵だけど、
満席になってしまいがちだったり。

ちょっと高かったり、
日常にはおしゃれすぎたり。

カウンター席で、
どうしてていいかわからなかったり。

ほんのちょっとの居づらさや心のざわつきが折り重なる、
繊細な胸のうち。

そんな、ナイーブさんにも、
私はこの町をおすすめしたい。

たくさん選択肢があるわけじゃないけれど、
ちゃんと、地元のひとたち、
住んでるひとたちのためのお店があるから。

ひめりんご

ある週末の、西賀茂の風景。

おうちの前でなにやらガーデニング中のお父さん。
ボールを抱えて公園へ向かう小さな兄妹。

自転車を止めて野菜販売機をのぞくおじいさん。
郵便屋さんと、犬の散歩中のお母さんの立ち話。

ひろびろとした青空のもとに、銘々の西賀茂暮らし。

さてさて、そんな西賀茂。
いかがでしょうか?

京都市内へのアクセスもよく(京都市バス西賀茂車庫があります)、
ほどよく田舎。
この雰囲気に惹かれる方、京都市内ではちょっと窮屈な方。
駐車場付きの物件も多く、
ご家族や子育てファミリーにもおすすめです。

▼「西賀茂」はこのあたり

このまちに住んだなら。 紫野編vol.2

京都市北区 紫野上門前町。
大徳寺の門前町。

大徳寺通り(旧大宮通り)と、
大宮通り(新大宮商店街)のあいだ。

このまちに住んだなら。

掃除おっけー、
洗濯おっけー。

ちょっといっぷくしたら、

買い出しにいこう。

向かうのは
すぐ近くの商店街、

「新大宮商店街」

この商店街には、八百屋さんが多くって、
どこで買おうか迷ってしまう。

お目当ての白ネギが、美味しそうに並んでる
「仲政」さんの店先。

いちごがこないだよりだいぶん安い。
そんな小さな発見が嬉しい。
店先で感じる季節。
赤赤としておいしそうなパックを吟味する。

次はお豆腐。
いつもはすぐ近くの「小川」さんで買うけれど、
こっちに来たら「福井屋」さんをのぞく。

そして、なんといっても、
最後は「かねよし」さん。

肉のかねよし、
鮮度の良い国産和牛。

お肉選び、わからないことが色々ある。
お店のおっちゃんに教えてもらう。

今日の主役はここのお肉。

実は今日は、
ちょっと特別な大切な日。

今年はおうちで。
すき焼きでお祝いしよう。

かねよしさんのお肉で、すき焼き。
密かにずっとやりたかったこと。

さ、足りないものを
「かみとも」で買い足して、

早くおうちへ帰りましょう♪

このまちに住んだなら。

お肉、お魚、野菜に果物、
だいたい商店街で揃います。

取材の後、
「珈琲山居」さんに寄って、ひと休み。
ブレンドコーヒーとレモンの香り爽やかなチーズケーキ、
とっても美味しく、店内の落ち着いた雰囲気にも癒されました。

まだまだ素敵なお店はたくさんあります!
vol.3につづく。

このまちに住んだなら。紫野編 vol.1

 

京都市北区 紫野上門前町。

茶の湯ゆかりのお寺、
大徳寺の門前町。

このまちに住んだなら。

このまちに住んだなら、
お豆腐屋さんでお豆腐を買う。

「大徳寺  京豆腐  小川」
井戸水でつくられる上質なおとうふ。

豆腐、おあげ、ひろうす、
店先に並ぶもの、どれも大好きで
目と鼻の先にこのお店があって夢のよう。

今日もあとで、のぞきにいこう。

コーヒーが飲みたいとき、
どこかでひとりぼんやりしたいとき、
書きものの仕事があるとき、
「粉屋珈琲」に行く。

どうしても
濃いコーヒーが飲みたい朝も。

あのカウンターに、
すぐたどりつけるって幸せ。

腹が減っては戦はできぬ、
はらぺこでどうしようもないときは、
「中華のサカイ」に駆け込む。

空腹にしみわたる中華のうまさ!

にこにこ、帰路につく。
銭湯に寄ってかえろう。

これらすべて徒歩圏内。

このまちに住んだなら。

素敵なお店も場所も
まだまだ、たくさんあります。
vol.2につづくー!