街中の木漏れ日。

 

「地下鉄四条駅、阪急烏丸駅から徒歩すぐ」って聞いて、

めちゃくちゃにぎやかな場所なんだろうな…!

って思ったけど、現地に着いたら

さわやかな木漏れ日がそよそよしていた。

思ってたのと違った。いい意味で。

 

円を描くような石畳のエントランスは

見上げるような背の高い木々に囲まれて

ビル群の間に突然あらわれた林、みたいな印象。

こんな街中で自然に出会えるのが嬉しい。

 

それでいて京都中心地の利便性を

思うぞんぶん享受できる立地。良すぎる。

百貨店や銀行、クリニック、だけじゃない。

オシャレなカフェやバーもたくさんある。

 

昭和の終盤に建てられて

いい感じのレトロさを残しつつ、

お部屋ひとつひとつは

リノベーションされて暮らしやすい。

 

ウォークスルークローゼットに

たっぷり衣類を収納できるし、

思いっきり好みの装いで

街の真ん中に暮らしてみるの

とっても素敵だと思う。

 

あっ、それから!

この周辺、祇園祭の日は大変にぎやか。

何と言っても「白楽天山」が目の前に建つんだから!

“ユネスコの無形文化遺産”の一部に

数秒で行けてしまうなんて、

この場所に住むならではの楽しさかも。

 

トンガリ現場体験記④「人がつくり、人が住む。」

筆者、先日行かせていただいた初めての
コンクリート打設がエキサイティングで
打設の日は全部見に行く!と意気込んでいたのだが、
別件でバタバタしているうちに月日が流れてしまった。

実はその「別件」とは、トンガリエステートの全面リニューアル!
現在、鋭意準備中なのである。(←ついでに宣伝。乞うご期待。)

新しくするサイトのデザインチェックなどしながら、
「あの新築、どうなってるかな~。工事けっこう進んでるかな…。」
なんて、思いをはせていた時に、関係者より
“現場打合せ”があるので、良かったら一緒に行きますか。
と声をかけていただいた。

“現場打合せ”とは?!
設計者・施工会社・施主(オーナー)が集まって、
仕様や仕上げなどをアツく語り合う場だとか。

なにそれ面白そう!
またしても好奇心だけを抱いて、
参加させていただいた。ドキドキ!

当日は現場近くのマンションの一室にて。
お集りの皆さんは、錚々たるお顔ぶれ!
建築家に建設会社の方々、そしてオーナーさんご夫妻。

(みなさま顔出しOKしてくださったけど、念のためお顔はぼかさせていただいた。)

お揃いの皆さん。

 

設計図を囲んで、打合せが進んでいく。

床や壁、階段、ドア、照明、コンセント…
こういう仕様にしてはどうか。
ここはこうしたほうがいいのでは。
なぜこの方法がベストなのか。

建築家の先生が、めちゃくちゃ細かい部分まで説明なさる。
(こんなにたくさん決めることあるの!?ビックリ!)

書類の量がすごい。

素人には難しい話ばかりだったけど、
「人が暮らしやすいように、最大限の工夫がなされる」
その熱量だけはビッシビシ感じた。
人の“住みか”を作るのって大変なことなんだな…!
そしてこのマンション、
ものすごいこだわりを持ってつくられてるんだな!

建築家の先生にそう伝えると
「それが仕事やがな!」
破顔一笑された。
なんなん、仕事人!かっこよ!!!

巨大な重機が行ったり来たりして、
大量の鉄筋やコンクリートでできているけど、
人がつくり、人が住む。
今更だけど、そういう役割を持った建物なのだ。

一通り打合せが終わると
「じゃあ、現場行きますか!」
全員で現場へ向かうことに。

ええー!現場行くの!(歓喜)
“マイ・ヘルメット”持ってくればよかった。

ついに現場再訪!おぉ…っ!すごい高さになってる!

工事用エレベーター。かっこいい!(乗ってみたい)

現場へ行けると思っていなかったので、
久しぶりの再訪が嬉しい。

ここでも、建築家がオーナーに
ひとつひとつ細かい部分を説明なさる。

テンポよく次々と移動するみなさんを横目に、
筆者はといえば、工事現場のめずらしいものに
いちいち反応してレンズを向けており、
一行にすっかり後れを取っていた。

無造作に置かれた道具が、いちいち絵になる…!

そこら中に良い雰囲気の道具が。たまらない。

あっ“ドーナツ”!こないだの型枠配筋の時には見なかった色だ。新色だ!
かわいい。

現場で「ドーナツ」と呼ばれている、スペーサーという道具。かわいい顔して工事現場では重要な役割を担っている。

そして、このマンションのこだわりの一つである断熱材。
普通の倍ほどの厚さがあるそうな。
さっきの打ち合わせでも話題に上っていたけど、熱効率がスゴイらしい。
エアコンがめっちゃ効くってことだなと、素人なりの理解…。)

見て、この分厚い断熱材。なんだか、おいしそうに見えてくる。

断熱材にペイントされた「火気厳禁」の書体がかわいい。

それにしても、この日の工事現場の素敵なこと。
打設の日のにぎやかさとは対照的な、自然光に照らされた無骨な陰影。
打ちっぱなしのコンクリートと足場のコントラスト。
工事現場のおりなす動と静に、胸がいっぱいになってしまう。

ああ、この時点の現場に来られて良かったなあ…。

……。

などと浸っている間にも、
どんどん高層階へ向かってゆく一行。
なんとか皆さんについて行かねば。

前回とはくらべものにならないほど
高いところまで組まれた足場に
おっかなびっくり上ってゆく。
ひょーーーー下!下が見える!!!
風が抜けてゆく!!!こわい!!!

ひょーーーー!

震えながら一番上の足場階段をのぼると、
急に視界が開けた。
うわーーすっごい眺め!

空に近い風が吹いている。

5階になる高さ。微かにゆれる足場がこわい。

あいにくの曇天だったけど、
これ晴れていたらもっとすごそう。
こうして見ると、京都ってほんと、
山に囲まれているんだな~。

こうして“現場打合せ”は終了した。
これほどまでに綿密な打ち合わせのもとで
新しいマンションが造られていくのか!
ダイナミックさと繊細さを併せ持つ現場の熱量に、
改めて感動した日であった。

さて、大いなる熱量で建設が進む
“この新築マンション”、
ついにお名前が決まったそうな!!!

その名も

「Bellissimo継孝院」

ベリシモけいこういん、と読みます。
“Bellissimo”ってイタリア語で「最上級に美しい」って意味だとか。
あらー素敵なお名前だ!

基礎工事から見てた建物に
いよいよお名前が…!感慨深いなー。

完成予想図の載ったパネルも現場に掲載された!

ジャーン!かっこいー!

完成予定の2026年3月に先んじて、
入居者募集も始まった!
詳細はぜひフラットエージェンシーのサイトで。
今後の進捗がいよいよ楽しみー!

 


前の記事はこちら↓

トンガリ現場体験記③「胸アツ!コンクリート打設」

最初の記事はこちら↓

トンガリ現場体験記①「“縁の下の力持ち”ってやつ」

 

 

海中のカーニバル。

 

ここは東山区梅宮町。

近くに白川が流れ、

枝垂れ柳がそよそよ風に揺られてる。

ランタンが浮かぶ古川町商店街もほど近く。

知恩院、八坂神社に円山公園。

レトロな風景、情緒あふれる町並みに陶酔。

 

白川沿いの石畳。

歩みを進めて一本入ると

思わずぴたと足がとまる。

あっと、目を奪われました。

波打つ外観に、波打つ気持ち。

ゆれる、ゆれる、ゆらいでる。

 

エントランスには、

光と色が楽しげに遊ぶ。

海中にさす光のように。

 

カラフルな色使いは、

海のいきものたちをイメージしてるのかな、

はたまたポップな潜水艦のようで、

丸い窓や丸いタイルが可愛くって。

あっちゃこっちゃに想像がふくらむ。

 

仕事帰りで疲れていても

玄関を入った瞬間、

ビビットな黄色が元気をくれる。

(個人的に黄色が好きなので、だいぶツボなお部屋です)

玄関横の収納は、

ハンガーパイプもついていて

長いコートも楽々しまえる。

階段のパイプはうまく使えば、

ひっかける収納をつけると

スペース活用になります。

 

メゾネットタイプの1LDK。

上のフロアは、リビングとキッチン。

下のフロアに、寝室と水回り。

 

それでは、階段を上がって。

リビングへどうぞ。

単なるコンクリート壁面のデザイナーズではありません。

外観から内装までトータルで調和がとれている。

海面に浮かんできたかのような

この黄色の波打ちがイイ。

波打つ黄色に、心が躍る。

 

キッチンも、ゆらぐ、ゆらぐ。

1口のIHコンロが付いてるけど、

お料理する方だったら、

もうひとつ置型コンロを用意してもいいかも。

スペースはしっかりあるので、大丈夫かと。

冷蔵庫置き場の裏手には、

ちょっとした食器棚も備え付け。

キッチンスペースへの入口には、

しゃらんとした

カラフルなのれんを付けるのなんてどうでしょう。

 

この部屋をもっとカラフルに飾りたい。

南向きだから、光も取り込める。

3つの電球とメインの照明でも遊んで。

ベランダから青空をのぞむと、

海面に出てきた魚のように、

ぷはっと思わず息をはきたくなる。

 

下のフロアは、

いたってシンプル。

寝室にぴったりの半地下には

お昼時になると太陽が差し込む。

気分屋さんの太陽のせいで、

ほんのり暗くなったり、

ぱぁっと明るくなったり。

お部屋はコロコロと表情を変えるから

いつまでたっても飽きずにいられる。

木漏れ日とかくれんぼ。

ドアを

開けては、閉め。

開けては、閉め。

木漏れ日の出現を待ち望む。

海中の魚のように、光と遊ぶ。

 

無彩色な日々が、ここでカラフルに。

暮らしに色が加わると、途端に世界は変わる。

この手で。

 

京都はアートやデザイン、

ものづくりに関わる大学や企業が多い。

中でも、

左京区には美術や芸術系の大学が多数。

 

そういう大学を卒業後、

作家活動に専念したり、

仕事をしながらも活動を続けたり。

やり方はそれぞれでも、

自分の好きなことを貫き続ける。

だけど、それには気持ちだけでなく、

やっぱり環境も必要。

 

「アトリエとハウスは同じ建物で、

空間は分かれていたい」

「住まいは必要最低限でいいけど、

ものづくりのテンションは上げたい」

「たまには語れる仲間もほしい」

 

家主さんが作り手に寄り添ってきたからこそ、

そんな声をひろって、生まれたこの場所。

tede。

 

1Fはアトリエタイプ。

2Fは住居タイプ。

住まいと制作活動が行える場として、

令和4年3月にリノベーションが完成。

この場をつくりあげてくださった、

家主さんも職人さんも

きっと素敵な手をしてる。

この場にかけた想いと時間、

それを肌で感じる。

とてもお心遣いが素敵。

 

1Fアトリエタイプは、

号室によるけれど、

ほとんどは

広すぎず、狭すぎず、

籠るにはもってこい。

煮詰まったら、

ラウンジや外のレンガタイル小道で

大きく息を吸えばいい。

このラウンジには、

個性ある椅子たちと作業机が並んでる。

あとはみんなで使えるキッチンとトイレ。

誰かとたまたま顔を合わせたら、

声をかけてもいんじゃない。

 

2F住居タイプへは、

甲板みたいな階段を上がる。

通路に掲げられた、

風でなびく白い布が帆に見える。

極めつけは船底天井。

どこか船旅をしてるように感じちゃう。

内土間と外土間。

部屋によって違くって、

この土間スペースも

作り手目線で使い勝手が良い。

シンプルに暮らしやすいワンルーム。

 

どちらかを借りても良いし、

どちらも借りたって良い。

tedeでの過ごし方は、

自分次第。

 

いつかの未来。

例えば、ここを後にするひとは

どんな風に思うのだろうか。

 

“本当に好きだった。”

“表現に自信をもてた。”

“驚くくらい楽しんだ。”

 

なんて笑って言いながら、

想いと場所が

次の作り手に渡ってゆくんだろうな。

 

「この手で、またどこかで。」

1階 アトリエタイプ

2階 住居タイプ

きょう、ここから。

京都には、

「ろおじ」「ろうじ」「ろーじ」と呼ばれる

路地が多くあります。

京都っぽさって、

こういう昔ながらの路地が醸し出してる気がします。

 

西陣織をはじめとした、

京都の伝統工芸の発信地、西陣。

今回はその西陣にある路地の物件です。

2019年に路地全体を一括リノベーションしました。

 

お地蔵さんもいらっしゃる「井戸端」をはさんで、

宿泊施設棟(※閉業)とテナント棟があります。

今回の募集はテナント棟の一室。

太い梁が渡る、約6坪のお部屋。

アトリエ、店舗、事務所、ギャラリーなどにおすすめです。

共同設備として、トイレとシャワーがあるので

寝泊まりも可能です。

 

他の区画では、カフェ、日本茶専門店、

アクセサリーショップ、手芸材料専門店、

などの店舗様が営業されています。

あと足りないのは…

そうですね。

待っています!

西陣の路地奥で、是非ご一緒に。

 

空が少し近い。

 

高台の住宅街。

街の気配が一段ずつ遠のいていく感じ。

最後にぐいっと上る坂道が、思ったより急勾配だった。

 

その先に、ぽっかりと現れる広い敷地とログハウス。

今回は、売買物件。

 

デッキの目の前で、背の高い桜が枝を広げている。

Google Earthでもその存在を確認できた。

山のふところに、ひと呼吸の余白を持つ家。

 

山裾という立地は、便利さの一歩手前にある。

「少しだけ手間がある」

それは、暮らしの主語が自然と『自分』になるということ。

その次に自然。

姿の見えない虫や鳥の声が山から響いてくる。

自然との間合いを音で意識する。

 

山気の湿り。

空が少し近い。

ここは住宅地の端ではなく、山裾のはじまり。

麓という言葉のやわらかさが似合う。

 

下界と山界のあいだ、というと大げさだろうか。

でも、その『あいだ』にあることが、

この物件の魅力だと思っている。

 

ツウ、路地の奥へ。

 

北大路駅から徒歩約15分、新大宮商店街。

昔ながらの八百屋さんや衣料品店もあれば、

おしゃれな洋菓子店やカフェもある。

古今が混ざり合う、

京都で一番距離が長い商店街です。

 

そのすぐそば。今回ご紹介する一軒。

 

商店街近く、路地奥、平屋、古民家……

そそる言葉が、ぎゅっと詰まっています。

 

格子の門扉をガラガラと引いて、路地を進んで玄関へ。

このひと手間が、良い。

細い通路の奥に家がある、秘密基地感、ワクワク感。

たまらない路地です。

 

そして、もうひとつの推したいポイントは、トイレです。

まさかのトイレ。

でも見てください。

窓の木枠。床の玉石タイル。

このレトロな愛らしさ。

 

水回り設備は整っています。

お風呂も綺麗。

ですが、徒歩圏には銭湯もいくつかあるんです。

湯上がりに路地を戻る夕暮れ。

ツウな暮らし!

時の流れと共に。

平安京の東に位置する岡崎エリア。
とある改修中の物件を見に行ったのですが、そのご紹介の前に少しだけ、この地の歩みを振り返ります。

春の岡崎

岡崎はかつて「白河」と呼ばれ、平安時代には白河殿や六勝寺が並ぶ院政の舞台でした。
しかし、その華やかな時代も長くは続かず、室町時代にかけて衰退していきます。応仁の乱で六勝寺も失われてしまいました。

時は流れて明治初頭。幕末の混乱と東京遷都で京都の人口は3分の2まで減り、千年の都は「いずれ狐や狸の棲家になる」とまで言われるほどに。そのころの岡崎も、田畑の広がる静かな地へ戻っていました。

しかし、京都の人々はそれをただ嘆いただけではありませんでした。

京都に活気を戻すべく取り組まれた一大プロジェクト、琵琶湖疎水計画がここで登場します。琵琶湖からの水路を通じて近代産業を発展させようという、当時としては大胆かつ先進的な計画でした。

そして、この近代化の波に乗って新たな役割を担うことになったのが、他でもない岡崎でした。

岡崎疎水

疎水が完成すると、こんどは「内国勧業博覧会」を岡崎に誘致。会場へのアクセスとして、水力発電を利用した日本初の電気鉄道が敷かれ、岡崎に美術館、工業館が建てられます。
さらに、同年には平安遷都千百年記念祭も行われ、平安神宮が創設されました。また、疎水の水を流した庭園が各所で造営されたことにより、岡崎は風致地区としての側面も得ます。

今、私たちが目にする岡崎の風景は、この頃に作られたものなのです。

 

そんな岡崎の歴史を今に伝える建物のひとつが、今回訪れた京町家。
仁王門通りから白河筋に入り、疎水の分水沿いを少し歩くと見えてきます。

奥のビニールシートで養生された建物が、今回の募集対象です

京町家は現在テナント募集中で、外装を改装中です。
隣には、今は「時忘舎」として知られる旧竹中精麦所があり、そこで家主様にゆっくりお話を伺ってきました。

時忘舎入口部分。この円形ほどの水車が精麦所時代に稼働していたとのこと。

目の前の疎水は町工場の敷地内に引かれ、直径4.5mある大きな水車を動かしていたそうです。かつてこの一帯はそのような水車がいくつもあり、町工場が集まるエリアでした。まさに明治維新後に変わった岡崎の「近代産業」の側面です。

今でこそ宿泊施設が立ち並び、観光客で賑わう岡崎-白河筋ですが、昔は全く違う景色だったそうです。

竹中精麦所跡について

岡崎で原型を留める水車水路としてはほぼ唯一となった旧竹中精麦所。昔からのこの景色をなんとか残していけたら、と家主様は語ります。

旧竹中精麦所の隣の、改装中の京町家。

精麦所が現役だった頃は、従業員に提供する貸家だったそうです。ここで生まれ育った家主様だからこそ出てくるエピソードもちらほら……

2階からの景色。ホテルやマンションが見えるが、かつては町工場だったという。


そして、この京町家は現在テナント募集中。
岡崎の歴史や文化を背景に、事業や店舗を展開できる貴重な機会です。詳細は下記ページをご覧ください。

岡崎円勝寺町京町家3棟(白川筋沿) ー テナントKYOTO
https://www.tenant-kyoto.com/detail/e-461169/

ぜひ、実際に歩いてその空気を感じていただければと思います。
華やかな時代も、衰退の時代も、復興の時代も刻んできた岡崎。ここまで知ったら、景色が少し違って見えるはずです。

simple beauty。

かつて、

西陣織の生産拠点として栄え、

千両箱が行き交ったことから、

「千両ヶ辻」と称された、

今出川通りから南の大宮通り。

リノベーションが行われたこの舞台は、

その大宮通りから西へ少し入った、

静かな通りに面した長屋だ。

 

この物件の魅力は、

装飾をそぎ落とした、

飾り気の無い、

シンプルな美しさだ。

主役はあくまでも、

住んでくれる人たち。

内装はその引き立て役。

そんなメッセージのようにも感じる。

 

門扉を開けると広がる、

小さなお庭。

毎日に潤いを与えてくれる、

ちょっと贅沢で、

心温まる空間だ。

そして、この庭を引き立たすためにも、

床や建具には主張の少ない、

構造用合板を使用。

 

B号の2階には、

大きな梁が十字に走り、

色合い的にも、

意匠的にも、

空間のアクセントとなっている。

もちろん、天井は高くて気持ちいい。

そして、マニアックな所になるが、

僕のお気に入りは、

B号の2階のサッシ。

建築当時のスチールを残し、

アイアン塗料で仕上げてある。

こういうディティールの質感に、

興奮してしまう。

建て替えではなく、

リノベーションを選択する意義というか、

昔の面影を残して、

建物の過去に思いを馳せられる所に、

面白さがあるなと。

この感覚は、

古いものを愛する方に、

共感いただける所かなと。

数ある物件の中から、

ここを選んでくれる方に。

 

図面

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