もう、ずっと前のことになるんだなぁ。
っていうのが、正直な感想。
もっと前の事のようにも思えるし、
最近の事みたいに、
思い返す事もできる。
オーナーさん、
設計士さん、
建設会社さん、
と一緒になって進めた、
賃貸マンションのリノベーション計画。
本音で、意見をぶつけあった、あの時間。
そう、あの時、
僕達が見ていたのは、
時代が求める、
新たな賃貸住宅のあるべき姿。
そしてその先にある、
入居者さんの笑顔だけ、だったなぁ。
なんて感慨に浸りながら、
この愛すべき建物を紹介していきます。
リノベ工事完成は、平成26年3月末のこと。
築後40年以上が経過して、老朽化していた建物を、
一棟まるごと、リノベート。
新築じゃないから、
あんまりピッカピカにはしたくなかった。
この建物が歩んできた、
その道程が垣間見れるような、
そんな風にしたかった。
間取りも、ありきたりのものじゃ嫌だったから、
入居者さんが自由に考えられる、
余白を残した。
建具も、フェイクじゃ嫌だったから、
極力少なくした。
時間の経過で価値が無くなるような素材も、
極力少なくした。
風がよく通るという、居心地の良さも絶対、
残したかった。
ここに住む、12人それぞれにとって、
人生の大事な1ページになるように。
そんな考えに基づいて。
床はやっぱり無垢材がいいよなって。
色々な木材を吟味して選んだのは、
メープル。
主張しすぎない色合いで、木目も美しい。
天井はペンキで仕上げた。
質感が好き。
壁面はモルタル仕上げで、
ラフな雰囲気もプラス。
シンクの前に、細長く切られたガラス。
廊下を通るたびに、
思わず、手を振ってしまう(笑)
自然と笑顔が増える。
ウォークインクローゼットは広くとった。
玄関踏込もちょっと広めにとって、
仕上げはモルタル。
靴は、飾るように収納できる、オープンなシェルフに。
こんな建物ですが、
リノベーション完成の最後のピースは、
常に、入居者さんが持っています。
写真にもある、オープンハウスの時のような、
インテリアやグリーンなど、
自分なりの彩りを加えていってもらえれば。
最後に。
このリノベーション計画に携わらせてもらったことを、
僕は誇りに思う。
今も、
きっと、これから先も、
胸を張って、言える。
これが、僕達の信じる道だ、って。
これが、僕達が進むべき道だ、って。