あなたの気配。

日々の喧騒から一歩退いた路地に

ひっそりと息づく一軒家。

撮影に行ったのは、

5月上旬にしては随分と暑い日のことだった。

 

この家は1975年5月――丁度49年前に建てられた。

世界がまだフィルムカメラと手紙でつながっていた頃だ。

 

玄関を開けた瞬間、

私を出迎えたのはレトロ可愛い照明器具。

柔らかな光。

いつからここにいるのだろうか。

 

部屋に入ると、私の大好きなやつがあった。

昭和レトロを感じさせる型板ガラス。

夜空にキラキラと光る星をデザインしたもので、

今はもう日本では生産されていないそうだ。

 

* * *

 

ところで、この家にはユニークな特徴がある。

それは、2階へ上がる階段とは別に

わずかに段差をつけた部屋があること。

 

2階の窓から、その部屋を見下ろすことができる。

スキップフロアのような、中二階のような…

説明が難しいけど、とにかく「見たらわかる」面白い構造。

 

「家族がどこにいてもお互いの気配を感じ取れるように」

という心遣いから生まれたものだそうだ。

この家の中で、誰も孤立しないように。

 

実際に見て、感じてほしい。

時々忘れがちな、”一緒にいること”の大切さを、

この家は静かに教えてくれるから。

 

 

久しぶりの夏休み。

 

鹿ケ谷の山へ続く道を

一歩、一歩。

青々と茂った山が

どんどん近くなる。

 

照りつける太陽から

逃げるように

玄関へ駆け込むと、

ひんやりとした空気に

ほっと一息。

縁側の向こうは、

サンサンと夏の光。

今日はあっついね。

 

年季の入った建具。

柱、天井。

畳の香り。

縁側に射す強い日差し。

床の間の影。

なんだか、懐かしい。

記憶の奥の、

いつかの夏。

いつかの夏休み。

 

京都盆地の東の縁。

少し高台になっていて、

2階からは

あたり一帯を見渡せる。

若王子の森から

鳥たちのさえずりが届く。

自然光たっぷり、

明るくて広い座敷。

はーぁ、

大の字に、ごろり。

やっぱり懐かしい。

夏休みみたい。

 

山々や寺院、古い家並み、

のんびりとした空気。

街の喧騒から少し離れて、

ここで、緩やかに暮らしませんか。

 

ぶらりと近くを散歩するのもいいな。

足音。

 

新しい時代の到来を告げる、

足音が聞こえる。

一歩ずつ近づいてくるそれは、

揺るぎない

明確な意思を持って、

この地を踏みしめている。

 

なんてプロローグで

ご紹介しておりました

こちらの物件。→リンクあり

さっそく、

コンセプトや建物について、

復習していきましょう。

 

まずは、コンセプト。

「新しい風とまちが融合するワークラウンジ」

名称は「385PLACE」

みやこプレース、と読みます。

オーナー様の社名でもあり、

多くの人が集まる場所という意味の「都」。

新たな要素と周辺地域がうまく融合し、

発展していく場となるように、

という想いが込められています。

 

建物について。

西陣の地に建つ、

地下1階付、5階建てのビル。

昭和46年、竣工。

もはや、町の重鎮ですね。

歩んできた長い年月が醸し出す、

オーラをまとっているかのような、

独特の空気感。

古いものと、

新しいものの、

融合。

 

4階には、約22㎡から38㎡程の事務所が8室。

5階には、約10㎡から22㎡程の個室が7室。

さらに固定席が8席。

そして、会員制のコワーキングスペースを含む、

一体型「シェアワークラウンジ」。

ヒトとマチ、

がこの場所で融合して、

新しい出会いを生み、

新しい風が吹く。

 

各区画は、

天井が高くって、

作り込みすぎない、

ザクッとした、ラフな雰囲気。

気持ち良いです。

人生のなかでも、かなりの時間を過ごす仕事場。

やっぱり、気持ちの良い空間で過ごしたい。

ですよね。

 

じゃあ、

そう思ったが吉日。

ぜひ実際にご覧ください。

オフィスやアトリエとして、

ぜひぜひ。

 

新しい働き方のご提案。

新しい時代の到来を告げる、

足音が聞こえる。

でしょ。

 

4階 フロアマップ

4階 フロアマップ

5階 フロアマップ

5階 フロアマップ

リセット。

もともとは、

オフィスビル。

昭和51年築のヴィンテージビル。

 

それが、

生まれ変わりました。

 

モノトーンな空間で、

すっかり

色彩を忘れちゃいそう。

 

だけど、

窓の外はしっかりと色付いていて。

空って青いんだ。

ってあらためて気づいた。

 

むきだしの天井、みえた配管。

どこか、ひんやり。

だけど、安心。

 

グレーって、

こんなに落ち着けるんだ。

自分の中のいろんな感情を

リセットできる気がして。

ここに帰ってきたくなる。

 

インテリアも、同じ配色で。

部屋を

グレースケールみたいに整えたい。

 

しかもね、

猫、飼えます。

さらにね、

2匹まで、飼えるんですって。

ロシアンブルーとかと住みたいな。

ちょっとグレートーンな、

斜にかまえた子がいいな。

たまに、甘えてくれたらいいな。

 

窓が多い、LDK。

柱がぽつんとある部屋も、また良い。

まったく同じ部屋なんて無いんです。

ちょっとずつ絶妙に表情が違う。

天井の配管とか、壁の色とか、洗面所の床材とか、

見れば見るほど、引き込まれてゆく。

 

水回りも新調。

トイレの壁も一面がコンクリだったり、

ごつごつした白壁だったり。

どこまでもこだわって楽しませてくれる。

 

特にね、5階は必見です。

天井が他フロアとひと味違う。

武骨な繊細さが、心をぎゅっとわしづかむ。

これは、全部屋味わいたくなる。

 

ここに帰ってきたら、

日々の闇雲になった感情を

ゼロにもどして、イチから考えられる気がする。

落ち着いたグレートーンが、

癒しをくれる。

 

うん。

また、明日がんばろ。

ってね。

 

ここで暮らすなら、

一回いろんなもの洗い流して、

真っ白になるのがいいかもしれない。

 

03タイプ

03タイプ

三角屋根のノスタルジー。

元々は、

お隣に住むオーナー様の、

離れ、だった。

当時は母屋と繋がっていて、

書庫のような形で利用されていたそうだ。

昭和40年頃に離れを全面改装した際に、

切り離した。

そんなストーリーを持つ、今回の建物。

チャーミングな三角屋根が特徴で、

ノスタルジックな雰囲気が漂う、

洋館のような物件だ。

 

どこを切り取っても絵になる2階は、

あたかも、研究室といった様相。

高い天井。

タイル張りの床。

大きな造り付けの棚には、

書籍がたっぷり収納できる。

南と東に窓があり、風が良く通って、

気持ちいい。

周辺はとても静かな住宅街で、

写真撮影に行った日曜の午後には、

小鳥のさえずりも聞こえてきた。

また、低層の住宅が多いので、

ヌケ感がすごい。

窓からたくさんの緑が見えて、

空が広い。

気持ちいい。

この感覚的な所は、

現地で感じられると思います。

あと、住んでみて余裕があれば、

ぜひ、広い庭も楽しんでもらえたらいいな。

図面

図面

暮らす楽しむ。

 

物件名は、

クラスタビル。

どんな意味だって?

深イイですよ~。

はい、いきます。

まず、暮らす楽しむ、を略したクラスタ。

一部、オーナーさんの社名も含まれています。

オーナーさんの好きな音楽、レゲエのラスタ。

人の群れや集団という意味のcluster(クラスター)。

当初は英語表記の案もあったけど、

英語にすると、その単語の意味に縛られてしまったりするから、

表記は、カタカナにした。

こんな様々な想いが込められた、

愛が詰まった物件名、なのです。

 

元織屋の社屋を賃貸住宅へとコンバージョン。

当時は改修工事中から数回にわたって、

トンガリプロジェクトとしても取り上げた物件だ。

コンセプトは、

ホテルのような、ゆるやかで、上質な住空間。

特筆すべきは、

共用部分の充実っぷり。

エントランス奥の、芝生のスペース。

緑があるのはやっぱりイイです。

黒いカーペット敷きの共用廊下。

階段すら、カッコイイ。

黒い壁、ほんと、カッコイイ。

ロビーに置かれた重厚なソファー。

ダンディな気分になれる(笑)

歴史を感じる書籍が本棚に並ぶ。

室内も見所満載。

床材は、栗の無垢フローリング。

触った感触が違う。

フェイクとは違う。

気持ちいいんだ。

木目もきれいで、落ち着いた色合いなんだ。

キッチンや洗面台などはシンプルだけど、

存在感のあるものをセレクト。

エッジがきいていて、

この空間をキリッと引き締める。

 

写真は完成内覧会の時のものも含んでいます。

こんな風な、木のあたたかみを感じられる家具がしっくりきて、

ここで過ごす時間が楽しくなること、請け合い。

コンセプトを具現化した、

ホテルのような、

気品あふれる空間になっている。

102号

205号

身も心も軽やかに。

 

銭湯ってなんでこんなに

気持ち良いんだろ。

羽が生えたように、

体が軽くなる。

 

さっぱりとした体で

颯爽と繰り出すのは、

新大宮商店街。

 

お惣菜を買って帰ろうかな。

魚屋さんや鶏肉屋さん、

お豆腐屋さん、

それぞれの手作りおかず。

お店に行っても良い。

中華?お蕎麦?今日は何の気分かな。

八百屋さんにも寄って、

それから、明日のパンも調達しなきゃ。

 

そんな商店街ライフ。

つっかけひっかけて、

ふらりふらり。

下町の庶民風で

なんだか楽しい。

 

銭湯や個人商店も多いし、

職人さんが住んでいたような

織屋建の町家や、

小さな借家も残っている。

 

この家も、そのひとつ。

最新のマンションみたいな

便利さはないけれど、

風が抜ける2階で大の字になったり、

玄関前の「井戸端」的な場所で、

お隣さんとたわいのない話をしたり。

そんな暮らしの楽しさがある。

 

最近は日が長いから、

早く帰れたら

明るいうちに銭湯へ。

なんて、楽しみもある。

いやはや、下町暮らし、豊かだね。

 

咲き誇れ。

 

いつも自転車で通う道。

今日はたまたま歩いてみた。

普段流れるスピードじゃないから

景色がいつもと違って見えた。

ほら、道ばたにタンポポ。

春の訪れを“急に”感じた。

 

すー、はぁ~。

ひさしぶりに大きく呼吸した気がする。

 

2019年4月、オープン。

この空間に思わず息がもれちゃうはず。

 

天井高々な吹き抜けリビング。

屋根の一部は天窓で、

室内なのに青空が見える。

木々をイメージした、4つの柱。

本物の植木もご用意して、緑の呼吸もシェア。

室内だけど、室内っぽくない。

うーん、中庭みたい。

杉無垢材のウッドデッキ式なキッチンスペースから、

土間のたたき仕上げで切り返し。

キッチンスペースは、

カーブを描いたアイランド型のテーブル。

こだわりの家電もそろえております。

土間部分には、露天風呂だってあるの。

いつ入るんだろう。

いつ入ってみようかな。

人目を盗んで入ってみたい。

こんなこと他では味わえない。

 

各部屋は、

桔梗、紅梅、桜、芍薬、

水仙、椿、萩、藤。

とお花の名前。

8つの花がここで咲く。

それぞれ角部屋、隣に面する部屋はなし。

コーポラティブハウスみたいなつくりでおもしろい。

普通なら共用部から自室へ行くけど、

ここは外から帰ってきたら、各部屋へ直接行ける。

 

誰にも会いたくないときだってあるもん。

明日は晴れやかな気持ちで「おはよう。」って言いたいし。

コソっと戻って、ゆっくりするのも良いじゃない。

各部屋には、洗面台もついていて。

女性専用シェアハウスならではの

洗面渋滞はこれで無問題。

 

「女性」ってだけで、

不自由に感じてしまうことがある。

いつもなにかと闘っている。

 

女性らしくいたいわけじゃない。

「わたし」らしくいたいだけ。

 

すーっと呼吸が自然とできる。

ここで自由に生きていい。

 

ここで共に住まう8人へ。

咲き誇れ、

あなたらしく。

平面図

僕がほっとする場所。

「アザレアコーポ」に

引っ越して初めての日曜日。

 

荷解きの続きをしよう。

とはいっても、

大した量の荷物は持ってこなかったから、

あっという間に終わってしまいそうだ。

終わったら何しよう?

 

この辺りは本当に緑が豊か。

通勤に便利と思って地下鉄沿線を選んだけど、

まわりの建物が低いから山がよく見える。

玄関を出ると比叡山、

すぐ裏には、あの五山の送り火の「法」の文字。

空もとても広い。

高野川もすぐ近くに流れている。

 

川といえば、

家の周りには水路がたくさんある。

水路はたゆたうと、

光をきらきら反射させながら流れていく。

この水はどこに向かうのだろう。

 

自然が多いこの辺りは

なんだか、京都らしくない

のんびりとした空気が流れている。

この家もそう。

廊下とか階段とかすごくゆったりしている。

この懐の広い雰囲気が、

僕はとても好きだ。

 

そうだ、

明日は朝から

あたりを歩いてみようかな。

光を浴びて。

風を感じて。

スマホばかり見て丸まった体を

伸ばして、深呼吸して。

 

それから、朝ごはんを食べて、

荷解きの続きをしよう。

うん、そうしよう。

106号室