優しさに包まれて。

 

座り心地の良いソファが置かれた、

小さな坪庭を愛でる洋室が、

僕の、1番のお気に入り。

休日には、時間を気にせず、

読書をしたり、音楽を聴いたり、

美味しいビールとともに、

ゆっくりと過ごしたい、

とっておきの場所だ。

 

工務店でもあるオーナー様が、

無垢材を惜しげもなく使用して、

自ら、改装を行った京町家。

床材はナラの無垢材(オイルフィニッシュ仕上げ)、

浴室の一部には赤杉の柾板、

天井、造り付け家具、建具が、1本の丸太から製材したそう。

扉のつまみは、ナンテンの木。

質感や風合いは、やっぱり、本物ならでは。

家全体が、木の優しい雰囲気に包まれている。

そんな、愛情をたっぷりと注がれた、

幸せな建物だ。

 

また、実際の生活の場面をイメージして設計されているので、

住みやすさ、という点でも随所に工夫が。

可動収納を引き出すと脱衣スペースになったり、

キッチンにはトップライトがあったり。

 

「勝敗の鍵は、細部に宿る。」

あるスポーツ界の識者が語った言葉だが、

これはどんな事にも言えるのではないかと。

1つ1つの小さなコトを、丁寧に積み上げる事で、

成果に繋げる。

逆に、少しでも手を抜くと、

そこから綻びが生じてしまう。

建物に勝ち負けは無いけれど、

ここまで丁寧に作られたモノは、

きっと、

入居された方も大切に住んでくれる。

うん。

やっぱり、幸せな建物だ。

図面

未来へ、ツナグ。

新築当時は、

いわゆる風呂無しアパートだった。

それは時代が求めたニーズ。

しかし、時は過ぎ、

その役割を全うした今、

リノベーションによって、

アトリエやオフィスとして、

アーティストやクリエーターの活躍の場として、

歩み続ける道を選択。

新たな時代が求める姿へ、

生まれ変わった。

 

今回の企画をされた方、設計者、

そして、それを形にする大工さんたちの想いを綴らせていただくと、

詩的(私的)研究所として、お寺のような場所を作りたくなった。

効率や合理性追求への疑問、

人の豊かさや創造性が求められる時代に、

それらの種や根を育てる箱として、

この物件を作る、と。

時代を超えて、創造性が絶えず生まれる畑として、

存在し続けて欲しいと願う、と。

素晴らしいと思います。

そして、きっと、

この想いは未来にわたって、

現実のものとなっていくのではないか、

と思います。

間違いない、でしょ。

 

こんな想いで作られた物件。

素敵じゃない訳ない。

それでは。

広さによって選べる10の個室と、

共用の打合室、シャワー室、トイレを完備。

角部屋は2面に窓があり、

いっぱいの光と、風を取り込む。

1階の床は、土間仕上げ。

外部はぐるりとウッドデッキが囲み、

各部屋の境界には稼働できる柵を設置。

大きな絵画や道具などの搬入の際には、

ここから可能だ。

さすがの気遣い。

 

2階の床は、無垢フローリング。

高い天井には、

大きな梁がその姿を現し、

土壁とともに、

空間のアクセントとなっている。

こんな、

とっても、素敵な空間です。

とっても、気持ちの良い空間です。

 

歩んできた道程は、

建物の記憶の中で、これからも生き続ける。

様々な想いをのせて、

新たな入居者とともに、

まだ見ぬ未来への道を、

歩み始める。

ari01

1階図面

 

2階図面

2階図面

 

凛々しい黒と清々しい白。

 

小高くなったこの地まで、

車で住宅街をのぼってゆく感じが

新しい土地に来たという

そわそわ感とわくわく感。

道中の園芸屋さん、

畑で農作業をしてるご夫婦、

裏にある竹林、

ご近所のこどもちゃんが遊んでる声、

自然豊かな地で

落ち着いた暮らしをしてる様子を

肌で感じる。

 

周りのお家とは

様子が違った

凛々しい黒のファサード。

正面にはガレージがあって、

中央から建物内部へと。

トンネルのように

囲まれた空間から

奥の鉄骨階段へ。

 

同じ色で統一された柵や木格子が

また色鮮やかで映える、映える。

この木格子の引き戸による

確立されたプライベートエリアの演出。

 

さて、

引き戸を開けて、

いざお部屋へ。

 

凛々しい黒を

引き継ぐかと思いきや

打って変わった、

清々しい白。

スッと視界が切り替わる。

 

家族や新婚さん、

もちろんお一人でも

使いやすい2DK。

3口もある広々としたキッチン。

一か所にまとまった水回り。

寝室や仕事部屋、

いろんな用途で使い分けができる。

 

晴れたお休みの日なんかには、

すべての部屋の窓を開けて

空気をリセット。

風が部屋中をぐるりと駆け巡って

空気も、気持ちも、

クリアにしてくれる。

 

まわりの自然を取り込んで、

落ち着いて暮らそう。

201号室:間取り反転

 

カイホウされる旧校舎。

 

2016年秋のオープン以来、

新聞やテレビ、雑誌など

様々なメディアに取り上げていただきました、

我らが、「the SITE」。

本当にありがたいことです。

感謝、感謝です。

 

主な用途としては、アトリエやオフィス、ショップなど。

アートやモノづくり、デザイン、

というキーワードに沿った入居者様を募集します。

特徴としては、

入居者が共同で利用できる工作室や

展示スペース(有料)がある事。

また、制作の合間に利用する事ができるシャワー室、

も備えます。

 

以下、リノベーションにまつわるストーリーです。

 

1970年。

鉄骨造2階建ての、真新しい校舎が竣工した。

そこに至るまでには、

1963年の学校創設以来、

教員と学生が自らの手で、

鉄工所跡の建物を教室に改装した事もあるそうだ。

この校舎完成の2年前には、

創設者の一人がこの世を去っている。

竣工を迎えた関係者の感慨もひとしおであったであろう。

その後、西校舎や南校舎も新築。

2009年の閉校まで、多くの卒業生を輩出した。

 

ここまでが、この物件の前身である、

「京都インターアクト美術学校」のストーリー。

 

そして、その開学から半世紀の時を超え、

2016年。

一度は閉ざされた校舎を、

再び、「カイホウ」する時がやってきた。

学校、建物が歩んできた歴史をリスペクトしつつ、

リノベーションによって新たな息吹をもたらさんとする

プロジェクト。堂々、始動。

 

物件名の「site」には、

町・建物などの位置、場所という意味や

遺跡、跡、という意味がある。

 

そして、

建物のコンセプトの1つとしての、

「カイホウ」という言葉。

まず、開け放つという意味の「開放」。

文字通り、元校舎の開放。

既成概念からの開放。

カフェや展示スペースを備え、地域への開放。

次に、貸し方の「解放」。

貸主側では必要以上に作り込みすぎない、

余白のある空間とする。

そこから先は入居者の感性に委ねる事によって、

個性あふれる空間が生まれるであろうことを期待する。

 

最後に。

願わくは、

この場所で、1つ1つ丁寧に作られたモノに、

光が当たりますように。

それらが集合体として、

大きなうねりとなって、

新しい価値を、

この場所から発信していけますように。

12ページ。

もう、ずっと前のことになるんだなぁ。

っていうのが、正直な感想。

もっと前の事のようにも思えるし、

最近の事みたいに、

思い返す事もできる。

オーナーさん、

設計士さん、

建設会社さん、

と一緒になって進めた、

賃貸マンションのリノベーション計画。

本音で、意見をぶつけあった、あの時間。

そう、あの時、

僕達が見ていたのは、

時代が求める、

新たな賃貸住宅のあるべき姿。

そしてその先にある、

入居者さんの笑顔だけ、だったなぁ。

なんて感慨に浸りながら、

この愛すべき建物を紹介していきます。

 

リノベ工事完成は、平成26年3月末のこと。

築後40年以上が経過して、老朽化していた建物を、

一棟まるごと、リノベート。

新築じゃないから、

あんまりピッカピカにはしたくなかった。

この建物が歩んできた、

その道程が垣間見れるような、

そんな風にしたかった。

間取りも、ありきたりのものじゃ嫌だったから、

入居者さんが自由に考えられる、

余白を残した。

建具も、フェイクじゃ嫌だったから、

極力少なくした。

時間の経過で価値が無くなるような素材も、

極力少なくした。

風がよく通るという、居心地の良さも絶対、

残したかった。

ここに住む、12人それぞれにとって、

人生の大事な1ページになるように。

 

そんな考えに基づいて。

床はやっぱり無垢材がいいよなって。

色々な木材を吟味して選んだのは、

メープル。

主張しすぎない色合いで、木目も美しい。

天井はペンキで仕上げた。

質感が好き。

壁面はモルタル仕上げで、

ラフな雰囲気もプラス。

シンクの前に、細長く切られたガラス。

廊下を通るたびに、

思わず、手を振ってしまう(笑)

自然と笑顔が増える。

ウォークインクローゼットは広くとった。

玄関踏込もちょっと広めにとって、

仕上げはモルタル。

靴は、飾るように収納できる、オープンなシェルフに。

こんな建物ですが、

リノベーション完成の最後のピースは、

常に、入居者さんが持っています。

写真にもある、オープンハウスの時のような、

インテリアやグリーンなど、

自分なりの彩りを加えていってもらえれば。

 

最後に。

このリノベーション計画に携わらせてもらったことを、

僕は誇りに思う。

今も、

きっと、これから先も、

胸を張って、言える。

これが、僕達の信じる道だ、って。

これが、僕達が進むべき道だ、って。

8号室

 

 

ガッツリ好みにやったって。

 

スナックみたいな顔をして

ここ、以前は”鍼灸整骨院”だったらしい。

ええ?!

 

いい感じに酔ったお馴染みさんとのやりとりが

容易に目に浮かぶカウンターを前に、

正直少し困惑してしまったのだが。

 

中へ歩みを進めると、

おお!広い!

カウンターの奥に

約30坪のだだっ広い空間が!

 

なるほど。

どんな使い方でもドンとこい!っていう

フトコロの深さがここにあったわ。

 

1階店舗部分は自由に改装OK。

この空間を見て武者震いしたあなた、

そのセンスに拍手したい。

 

いつかガッツリやってみたかったこと

ここでだったらできるかも?!

想像を超える新しい姿、

見てみたくなってきた。

 

ちなみに更新料無しなので、

長期的にやれるのも嬉しいところ。

 

外観もなかなか個性的。

白い壁がスカッと道路に映える。

そして扉が二つ。

右が、1階店舗の入口。

左が、2階に続く入口。

 

階段を上って2階を見てみると、

こちらはすっかりリノベーション済み。

小綺麗に整えられている。

 

観葉植物を置きたくなるような

東向きの明るい出窓が素敵。

 

1階で思うぞんぶん働いたあと、

きれいに整った2階の居住空間では

ピカピカのお風呂で汗をながして

広いリビングでホッと一息。

小上がり和室でくつろぐのもいいな。

 

そんな二階層の構造が素晴らしい。

”通勤ゼロ分”だからこそ、

ON/OFFの切り替え大事だもの。

 

暮らしやすさがそろった居住スペースと

スケール無限大の店舗スペース。

二つに重なる空間をどう乗りこなすか…!

想像するだけでもわくわくしてきませんか。

 

 

美しきハーモニー。

新築当時。

えー、遡る事、

数十年以上も前。

京都産業大学前店の店長だった僕には、

この物件にまつわる思い出が、いっぱいある。

アポもなく、フラッと店舗に来られたオーナーさん。

「こんなん建てるんやけど、家賃どれ位になるかな」

と見せてくれた、外観パースや図面を見て、

新米店長の心は、ときめいた。

カ、カッコイイ。

 

とっても新鮮で、印象に残る感覚だった。

今でこそ、デザインにこだわりを持つ物件も多くなったけど、

当時はデザイナーズマンションなんて言葉すら、

無かった時代。

自分で初めて新築物件をお預かりする事も相まって、

ワクワクとドキドキが交差した。

そして、完成が6月だった事もあり、

新入学の学生さんには、入居時期が合わなかった。

けど、絶対に良い物件だって自信があったから、

一生懸命おすすめしてた。

4月から6月までの2ヶ月間、2万円くらいの下宿に仮住まいをして、

そこから移動してもらった学生さんもいた。

あの子たちは、この部屋でどんな学生生活を送ったんだろう。

楽しい思い出になってたらいいな。

聞いてみたい。

うん、ぜひ聞きたい。

 

って、前置き長っ。

申し訳ございません。

本題へ入ります。

とにかくね、カックイイんだ。

コンクリート打ちっ放しと、

そこに加えてあるスパイス。

キッチンやシューズボックスに使用されてる、

カナダから輸入したキャビネット。

クローゼットの扉。

窓枠、建具。

1階のベランダにある、ウッドデッキ。

外観のアクセントに。

階段の手すりにも。

そう、それは全部、木材。

コンクリートのクールな感じに、

木材のあったかさが加わって、

それが足し算じゃなくて、

掛け算になってる。

魅力倍増。

そう、ここで奏でられる、

コンクリートと木材の、

美しきハーモニー。

ご鑑賞ください。

105号室

※掲載写真は101号室と202号室

町と緑のパノラマ。

 

鮮やかな山の緑を背に

ルーフバルコニーで走り回っていた小さな姿は、

テラス窓から飛び込むとLDKを横切って

今度は南の窓を覗いている。

 

キッチンで作業しつつ目に映るそんな光景は

北に南に広がる眺望と重なって

この部屋で暮らした日々の

大切な思い出の一つになりそう。

 

日当たり良好、通風良好。

抜けるような開放感が特徴のマンション、

その最上階。

エレベーターを降りてすぐに

目の前のパノラマが心を晴らす。

これが日常になるなんて、なんて贅沢。

 

北は北山に連なる山々を一望でき、

南は京都の街並みが見渡せる。

その眺望に囲まれて

吹き抜ける風を感じ暮らせる場所

 

ルーフバルコニーからは

京都五山送り火の「妙」と「法」がよく見える。

送り火のその日には親戚や友人知人と集まって

お盆の終わりを皆で見送るのも良さそう。

 

メゾネットタイプなので

上の階で少しぐらい足音がしても安心だし、

下の階はプライベートな空間をキープできる場所。

向かいが古いカトリック教会で

歴史ある建物や鐘楼を近くで眺められるのも素敵。

 

歩いてすぐに高野川や松ヶ崎疎水があって

自然を身近に感じることができる地域でありながら、

ショッピングモールや病院など街の機能が近く、

便利さと自然のちょうどいい距離感で暮らせる地域。

 

窓の外でうつりゆく季節に小さな感動を重ねて、

ここでの記憶が未来の宝物になるような

そんな暮らしができたらいいな。

咲き誇れ。

 

いつも自転車で通う道。

今日はたまたま歩いてみた。

普段流れるスピードじゃないから

景色がいつもと違って見えた。

ほら、道ばたにタンポポ。

春の訪れを“急に”感じた。

 

すー、はぁ~。

ひさしぶりに大きく呼吸した気がする。

 

2019年4月、オープン。

この空間に思わず息がもれちゃうはず。

 

天井高々な吹き抜けリビング。

屋根の一部は天窓で、

室内なのに青空が見える。

木々をイメージした、4つの柱。

本物の植木もご用意して、緑の呼吸もシェア。

室内だけど、室内っぽくない。

うーん、中庭みたい。

杉無垢材のウッドデッキ式なキッチンスペースから、

土間のたたき仕上げで切り返し。

キッチンスペースは、

カーブを描いたアイランド型のテーブル。

こだわりの家電もそろえております。

土間部分には、露天風呂だってあるの。

いつ入るんだろう。

いつ入ってみようかな。

人目を盗んで入ってみたい。

こんなこと他では味わえない。

 

各部屋は、

桔梗、紅梅、桜、芍薬、

水仙、椿、萩、藤。

とお花の名前。

8つの花がここで咲く。

それぞれ角部屋、隣に面する部屋はなし。

コーポラティブハウスみたいなつくりでおもしろい。

普通なら共用部から自室へ行くけど、

ここは外から帰ってきたら、各部屋へ直接行ける。

 

誰にも会いたくないときだってあるもん。

明日は晴れやかな気持ちで「おはよう。」って言いたいし。

コソっと戻って、ゆっくりするのも良いじゃない。

各部屋には、洗面台もついていて。

女性専用シェアハウスならではの

洗面渋滞はこれで無問題。

 

「女性」ってだけで、

不自由に感じてしまうことがある。

いつもなにかと闘っている。

 

女性らしくいたいわけじゃない。

「わたし」らしくいたいだけ。

 

すーっと呼吸が自然とできる。

ここで自由に生きていい。

 

ここで共に住まう8人へ。

咲き誇れ、

あなたらしく。

平面図