おそるおそる踏み入った
薄暗い座敷のそのむこうに、
きらきらと陽だまりが輝いている。
ひきつけられるように、庭へ。
下草を覆う陰が
雲の流れとともに形をかえてゆく。
風が吹くと、
向こうの木がざわざわざわ、
こちらの木がかさかさかさ。
右の茂み、左の茂み、
右、左、右、左、
虫の声がとび交う。
すこしずつ、
見え出す、聞こえ出す、
この庭の宇宙。
草も木も花も、
鳥も虫も、
どっしりと根をはった風情の古い蔵も、
〈家主〉不在のこの庭で
気ままに、時を過ごしている。
恵みの雨や暖かな日差しを喜び、
悪天に耐え、
芽吹きを祝い、朽ちゆく姿を見守り、
すぎ行く雲が、
変わりゆく季節が、
太陽や月、星々が刻む時を、
止むことなく、過ごしている。
〈時間〉の概念とは違う
この時の流れに
身を置き、とけこめば、
緩々と体がほぐれていく。
庭の合奏、
心地よい音色に包まれて。
左京区修学院大道町、
修学院離宮のほど近く。
比叡山の山裾で、
庭と古家と、暮らしませんか。
貫禄ある古家に、自由きままな庭。
一筋縄ではいかぬ相手。
でもだからこそ、
起きること、毎日が、おもしろい。
*事業用での募集です。
住みながら働く、
仕事場として借りてくださる方を募集しています。