今は雨が降っているようです。
分厚い雲が流れてゆく。
京都市左京区。
北白川東伊織町。
住宅地の中、路地奥にある。
もとは学生アパート。
そこからの転身。
アトリエ付きのシェアハウスへ、
令和2年春に、
晴れてリニューアルオープンした。
芸術系大学の学生さんであれば、
授業の課題や自主制作、
コンペ応募に、ポートフォリオ制作など。
大学を卒業して、アトリエを探されている方も是非。
ここなら、
つくることが日常となる。
ここでは、
衣、食、住、創。
共用スペースにアトリエと防音室。
アトリエはシンクもあるので、
画材はここで洗える。
防音室でなら音が出る作業も大丈夫。
(もちろん時間制限はありますが…)
柱が空間の仕切りとなって、
解放感があるのに、閉鎖的。
空間のギミックにはまり、
ここにいる間、自分は作品と向き合える。
作品との対話。
話ができなくなったら、
いったん手をとめたらいいさ。
ラウンジで一息しよ。
新しくなりつつも、
ところどころに昔の味が残ってる。
通路一番奥の窓であったり、
階段の踊り場であったり、
柱の傷跡、ピンあと、凹み。
見つけて思わず一撫で。
積み重ねてきた年月が、
今ここに。
水回りは男女別で分かれていて、
キッチンスペースも1Fと2Fそれぞれに。
2Fには広いラウンジもあって、
ここでもシェアメイトとの交流を深めて。
あの技法はどうやるの。
あの色は何色を混ぜてるの。
こんなのをつくりたいんだけど、
画材はなにがいいかな。
これを一緒にやってみない?
これからも一緒にやってみない?
創り手たちの交わりは、面白い。
可能性は無限大。
でも、
誰だって時にはくすぶってしまうことも。
私も今はそれかもしれない。
だって、手が動かない。
部屋を1階にしたのには理由があって、
それは、
実は1階の方が窓が大きいから。
腰掛けるのににちょうどいい高さにあって、
行き詰って、
何にも出来なくなったとき、
腰かけて壁にもたれて。
ただただぼーっと雲の流れを見てる。
あ、雨やんできた。
雲が多いなぁ。
流れがめちゃめちゃ早いなぁ。
雲のカタチの変化って面白いなぁ。
薄い雲間からみえる表現ってどうやろ。
あの部分の青色がいいな。
あとで黄色を少し足してみよ。
隣のあの子は、
まだ頑張ってるんかなぁ。
背中を仰け反り、危うく落ちそうになる。
ぼーっとしているようで、
そうでない。
絶対なにかに通じてる。
と自分に言い聞かせておこう。
水溜まりに映る空。
いつの間にやら
晴れていた。
…アトリエ、行こ。