鹿ケ谷の山へ続く道を
一歩、一歩。
青々と茂った山が
どんどん近くなる。
照りつける太陽から
逃げるように
玄関へ駆け込むと、
ひんやりとした空気に
ほっと一息。
縁側の向こうは、
サンサンと夏の光。
今日はあっついね。
年季の入った建具。
柱、天井。
畳の香り。
縁側に射す強い日差し。
床の間の影。
なんだか、懐かしい。
記憶の奥の、
いつかの夏。
いつかの夏休み。
京都盆地の東の縁。
少し高台になっていて、
2階からは
あたり一帯を見渡せる。
若王子の森から
鳥たちのさえずりが届く。
自然光たっぷり、
明るくて広い座敷。
はーぁ、
大の字に、ごろり。
やっぱり懐かしい。
夏休みみたい。
山々や寺院、古い家並み、
のんびりとした空気。
街の喧騒から少し離れて、
ここで、緩やかに暮らしませんか。
ぶらりと近くを散歩するのもいいな。