河原町の雑踏を抜けた通り。
仏光寺、鴨川、すこし足を延ばして東山。
暮らしの半径がにわかに広がる。
この建物の顔は、階ごとに角度を変えた深い窓。
ビルの陰影が揺れ、「なんだか違うな」と感じさせる。
部屋に入ると細長い土間に迎えられた。
コンクリート打ち放しの無機質さと、グレーの床。
それでいて冷たい印象にならないのは、
きっと木材の差し色と自然光が効いているから。
障子のような引き戸は、職人のこだわりが詰まっているらしく、
室内に差す光が絶妙なのも、おそらく計算の上だろう。
コンクリートの壁面はパーツを使えば棚やフックができるし、
マグネットが付く広いキッチン壁や、
カスタマイズ性のあるダクトレールなど、
アレンジの余白をたっぷりと抱えている物件だ。
築浅だけど、あえてリノベ物件っぽさを出しているのも面白い。
1階エントランスは無理に明るくせず、
薄暗さを活かしていてセンスがいい。
そこにペット用の足洗い場があり、
しかも冬にはお湯が出るそうだから優しい。
自転車の入れやすいエレベーターとか、整ったネット環境とか、
オシャレの独りよがりではない、住む人への気遣いを感じる物件。
丁寧、と表現すれば良いだろうか。
――住まいとは、ただ帰る箱でいいのか?
もしあなたが「ただ住む」だけでなく、
「暮らしを自分でつくる」「住処を味わいたい」
と思っているなら、ここをぜひ候補に入れてほしい。
もちろん、スペックをもっと知りたい、
現地を見てみたいという人も大歓迎。
まずは、この余白とポテンシャルを感じて、
ワクワクしてもらえたらうれしい。