高台の住宅街。
街の気配が一段ずつ遠のいていく感じ。
最後にぐいっと上る坂道が、思ったより急勾配だった。
その先に、ぽっかりと現れる広い敷地とログハウス。
今回は、売買物件。
デッキの目の前で、背の高い桜が枝を広げている。
Google Earthでもその存在を確認できた。
山のふところに、ひと呼吸の余白を持つ家。
山裾という立地は、便利さの一歩手前にある。
「少しだけ手間がある」
それは、暮らしの主語が自然と『自分』になるということ。
その次に自然。
姿の見えない虫や鳥の声が山から響いてくる。
自然との間合いを音で意識する。
山気の湿り。
空が少し近い。
ここは住宅地の端ではなく、山裾のはじまり。
麓という言葉のやわらかさが似合う。
下界と山界のあいだ、というと大げさだろうか。
でも、その『あいだ』にあることが、
この物件の魅力だと思っている。
