このあいだ、「世界ふれあい街歩き」を見ていたら、
スウェーデンのビスビーという街の回で
(映画「魔女の宅急便」のモデルになった町とのこと!)
築200年以上の古いお家にお住まいの方が
かつてこの家に暮らした人たちについて調べていて、
(どんな職の人だったかとか、分かっているそうです)
改修したりするときには 家を住み継いできた方々の許しを得てから、
という気持ちでやっているとおっしゃっていました。
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大切にされてきたお家や、皆の憩いの場だった空間など、
その場所が、どんな風に使われてきたのか
そこにどんな思いが蓄積されているのか
そんなことが、少しでも知れたなら、
引き継ぐ側、引き継がれる側、
双方にとって、とても幸せなことではないでしょうか。
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そんな思いを込めて、ご紹介したいのが
左京区松ヶ崎のテナント物件、「松ヶ崎堀町の店舗」です。
ここは、ついこのあいだまで、 「菜彩」というお料理屋さんでした。
鯖の定食や、ハンバーグ、ロールキャベツなど、
ほっとする家庭料理。
28年間、地域に愛されてきたお店です。
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閉店間近の10月末、
実はこっそり、お邪魔してきました。
五山の送り火「妙・法」の山裾、
水路が小さな音を奏でて流れる
松ヶ崎の旧街道沿いに
あざやかなお花ののれんが揺れていました。
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顔なじみらしきお客さんが
カウンター越しに、お店のご夫婦と談笑されていて、
和やかな雰囲気の店内。
飾られている素敵な絵はご主人が描かれたものだとか。
席の後ろには、美味しそうに漬かっている梅干しの瓶。
本棚には松ヶ崎の郷土本や各地の紀行本など。
テーブルにはお花が活けられていて。
あ~。
なんとも、ほっとする場所。
頂いた食事は、
わたしはハンバーグ、Sさんはサバの煮込みを。
主菜・副菜・お味噌汁にお漬けもの。
丁寧にきちんと作られたものの、滋味深い優しい味わい。
ごちそうさまでした。
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良い人に借りてもらえたらええね。
調理場の設備とかはどうすんの?
次使わはるかもしれんし、置いといてって不動産屋に言われてん。
そうか。次も家庭料理のお店やったらいいな。
聞こえてくる会話のひとつひとつに、
寂しさやら色々綯い交ぜになった複雑な思いがこもっていて。
「閉店までにもう一回きますよ!」って、
宣言して帰るお客さんも。
場所をつなぐという、
私たちの仕事にとても重みを感じた瞬間でもありました。
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この場所を頼りにしていた人は少なくないと思います。
間違いなく、地域に愛されてきた場所。
たくさん、温もりが宿っています。
新しくここで開店する上で、設備や躯体や、色々な課題があるとしても、
ここがたくさんの人に愛されてきた場所であること、
それを知って引き継げるのは、とても「安心」なことではないでしょうか。
*
どうか、この場所が、
素敵な方に引き継がれますように。
令和元年11月、菜彩さんに敬意をこめて。
物件:松ヶ崎堀町店舗(北)
京都市左京区松ヶ崎堀町/ 地下鉄烏丸線「松ヶ崎」徒歩7分
木造2階建/ 1階約30.5㎡ ,2階約30.5㎡(1階9.22坪 2階約9.22坪)
築不詳/ 第二種中高層住居専用地域
賃料:150,000円(外税15,000円)
敷金:賃料の3ヶ月分
契約年数:定期借家契約10年
取引態様:仲介(成約時、仲介手数料として成約賃料の1ヶ月分(税別)要)
備考:家賃保証会社加入要/ 集金代行システム加入要
現況:空き予定(2019年11月退去予定)
※商談中※
業種:軽飲食・物販・事務所・アトリエ・ギャラリー・美容